嗜好品で、健康増進!
高血圧や動脈硬化を予防する。
◆ ココアの効果的な飲み方。
(1) 豆乳はちみつココア。
(2) 生姜ココア。
◆ 青魚に負けない、血液サラサラ効果。
クルミに含まれる α-リノレン酸が体内に入ると、EPAやDHAに変わる。
◆ 緑茶と脳卒中。
カテキンが、血圧を上昇させる酵素の働きを抑える。
90℃以上のお湯で、淹れるべし。
ドクネット:戸田中央総合病院 嗜好品外来 心臓血管センター内科 椎名一紀。
愛知学院大学 心身科学部 健康栄養学科 大澤俊彦。
食品医学研究所 平柳要。
2017年9月10日放送の「健康カプセル! ゲンキの時間」より、「カカオポリフェノールで健康増進! ココアの効果的な飲み方とは?」からのメモ書き。
今回は、後編です。

□ ココアの効果的な飲み方

高血圧や動脈硬化の予防改善につながる、カカオポリフェノール。
実は、それを、飲み物で効果的に摂る方法があるのだとか。
それが、「ココア」。
血圧、動脈硬化、脳の血流が改善するのではないかと、期待されています。
そんなココアの効果を、さらに高める飲み方があるらしい。
<ココアの効果的な飲み方>
<生姜(しょうが)ココアの作り方>
(1) ピュアココア 5g を、200ml のお湯で溶きます。
(2) そこに、皮ごとすりおろした生姜を、小さじ1杯(約5g)加える。
(生姜は、チューブの場合は、約7.5g で)

ピュアココアとは、砂糖などを加えてないココアパウダーのことです。
甘味が欲しい時は、ハチミツを入れてください。
これを教えてくれたのが、食品医学研究所の 平柳要 先生。
先生曰く、これは「最強の組み合わせ」。
生姜に含まれるショウガオール(辛味成分)には、血液サラサラ効果があります。
そして、ココアに豊富なカカオポリフェノールには、血管拡張作用がある。
そのため、継続することで、しなやかな血管を保てる効果があるのだとか。
<豆乳はちみつココアの作り方>
(1) ピュアココア 5g を、10ml の熱湯で溶きます。
(2) そこに、温めた豆乳 120ml を加える。
(3) はちみつ 小さじ2杯を入れて、よく混ぜ、お召し上がりください。

平柳要 先生の解説。
豆乳のイソフラボン、はちみつのケルセチンは、共に、血管をしなやかにするポリフェノール。
血圧が気になる方には、おススメなのだそう。
(ハチミツは、1歳未満の乳児には食べさせないでください)
□ 血液サラサラ食材

嗜好品外来では、他にも勧めてるものが…。
それには、血液をサラサラにする青魚と同じような効果があると言います。
ゆえに、青魚が苦手な人や、摂る機会が少ない人に、勧めているそうです。
その食材とは、「クルミ」。
クルミには、α-リノレン酸が含まれています。
この植物性の脂肪酸が体内に入ると、EPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸に変わるのだそうです。
「EPA」は、血中の血小板が固まるのを防ぎ、血栓を予防してくれます。
「DHA」は、赤血球を柔軟にし、毛細血管内での赤血球の流れを、スムーズにしてくれる。
クルミに多く含まれる α-リノレン酸は、体内に入ると、10~15%が、オメガ3脂肪酸(EPAやDHAなど)に変化するんですね。
クルミ5個分で、およそ塩サバ1枚とほぼ同等の オメガ3脂肪酸が摂れる計算になります。
<オメガ3脂肪酸>
クルミ5個:約2700mg
塩サバ1枚:約2680mg
大魚が苦手な人には、うってつけ。
□ 緑茶と脳卒中

緑茶も、おすすめ嗜好品の一つらしい。
椎名先生の解説。
「緑茶を1日に 4~5杯 飲む人は、それ以下の人に比べ、脳卒中や心筋梗塞になる人が少ない」
緑茶摂取頻度と脳卒中発症リスクのグラフ。

お茶を全く飲まない人を100%とすると、1日に4杯以上飲む人は、そのリスクが80%にまで抑えられています。
これは、お茶に含まれる「カテキン」というポリフェノールが、血圧を上昇させる酵素の働きを抑えるためだと考えられている。
カテキンを多く抽出するには、90℃以上の比較的熱めのお湯で淹れるのがコツ。
また、粉茶にして茶葉ごと飲めば、多くのカテキンが摂取できます。
□ ドクネット
引き続き、戸田中央総合病院 心臓血管センター 内科の 椎名一紀 先生に、教えていただきます。
<はちみつ>
ハチミツは、ケルセチンをはじめとする、ポリフェノールの宝庫。
吸収が早く、すぐに脳のエネルギーとなるため、朝の摂取は効果的です。
ただし、摂り過ぎは、禁物。
そのまま舐める場合は、1日に大さじ1杯が目安だとか。
また、1歳未満の乳児には、食べさせないでください。
<嗜好品外来は、どんな人でも行けるの?>
生活習慣病が気になる人であれば、どなたでも受診可能だそうです。
特に、健康診断を受けて血圧が少し高いだとか、悪玉コレステロールの数値が高めの人などは、受診してみてはどうかと。
上の血圧が、140~160mmHg 以下なら、嗜好品で改善する可能性があるらしい。
ただ、160mmHg を超える人は、対象外となるケースも。
<おススメ嗜好品と摂取量の目安>
1日の摂取目安量です。
ダークチョコレート:20~30g
クルミなどのナッツ類:30g
赤ワイン:1~2杯
緑茶:4~5杯

ただし、基本は、バランスの良い食生活だといいます。
嗜好品だけに頼るのは、やめましょう。

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