農家さんが偶然気づいた、おいしくする方法。
袋のまま冷蔵庫で保存すると甘くなる。
カギを握るのは、イヌリンくんだ。
素材の味を楽しむなら、素揚げが一番。
2017年6月21日放送の「ガッテン」より、「ザ・食物繊維!ゴボウがコクだし調味料に早変わり」からのメモ書き。
その中編です。

□ ゴボウをおいしくする方法

舞台は、セルビアから、日本へ。
ゴボウが超おいしくなる方法が、あるらしいですよ。
向かったのは、群馬県伊勢崎市。
ごぼう農家さんに、話を伺いました。
実はこの方、ゴボウの新しい魅力を、偶然 発見したのだという。
きっかけは、2012年のお正月。
いつものように、畑でとれたゴボウを食べると、「あれ…甘い」。
気のせいかと思いましたが、翌年のお正月に食べると、やっぱり甘い。
家族に聞いたら、「確かに甘い」という。
ゴボウの生産量日本一の青森県。
三沢市にも、こう言う方が。
「春ってば、全然 甘さが違いますよ」
春に食べるゴボウは甘いというのです。
ゴボウが甘いって、どういうことなんでしょうか?
ヒントは、保存する場所にありました。
ゴボウの冷蔵庫は、気温1℃。
野菜の予冷庫も、冷蔵庫の一種です。
というわけで、冷蔵しておいたら甘くなったらしい。
それには、理由が…。
<メカニズム>
スタジオに登場したのは、土の中のゴボウ…の模型。
甘くなるカギを握るのは、この子。
「イヌリン」くんだ。
実は、イヌリンくんが糖を出すことで、ゴボウは成長するんですね。
なんと、2メートルの高さまで、ゴボウ(の茎と葉)は成長するんだそうな。

でも、ゴボウが成長すると、イヌリンくんが消えてしまっています。
というのも、イヌリンは、我が身と引き換えに、ゴボウを大きくするらしいのです。
イヌリンくんの身体は、たくさんの糖が集まって、できている。
自らを分解することで、植物が成長する時に必要な糖分を作り出す、いわば、エネルギーの源なんです。
私たちの食卓に届くゴボウは、成長しきるもっと早い段階で、収穫されます。
ということは、出荷される時には、イヌリンくんがたっぷりいるってわけ。
イヌリンくんがいるゴボウを、冷蔵庫に入れると、どうなるか。
なんと、低温状態になると、イヌリンは糖を出すのだ。
というのも、糖を出すと、ゴボウは凍りにくくなるんです。
つまり、冷蔵保存すると イヌリンくんが糖を出すから、甘くなるってわけ。
ありがとう、イヌリンくん。
甘いゴボウを100%味わえる
<おススメ料理>
ゴボウそのものの甘さや香りを味わうなら、「素揚げ」。
調味料に頼らない、ゴボウ本来の味が、一番楽しめるらしい。
ゴボウ農家さんのおススメです。
<ゴボウの素揚げの作り方>
(1) 皮は剥かず、長さ5センチ程度に、切りそろえます。
太いところは、4等分。
細いところは、2等分に。
(2) 片栗粉をまぶしたら、160℃で 6分間 揚げましょう。

<冷蔵庫で保存する時の注意点>
(1) 乾燥を防ぐため、買った時の袋に入れたまま、保存しましょう。
(2) 場所は、チルド室でも、野菜室でも、OK。
(3) およそ1か月で、甘味が分かるようになります。
(4) 土つきなら、冷蔵庫で 数か月(3か月ほど) 保存できるとのこと。
洗いごぼうは、1か月を目安に、早めに使いましょう。
(*食べる前に、傷んでないか、念入りに確認してくださいね)

ゴボウは冷蔵庫に保存すると、日増しに甘くなるんです!

ガッテン! ガッテン!

後編は、「幻のゴボウと、すりおろしの作り方」。