結局、コラーゲンって、効くの? 効かないの?
食べれば分解されるので、意味ないのだろうか?
そう言われていましたが、実は、その先があったんです。
欠片を見つけると、線維芽細胞が増えちゃうのだ。
これで、肌の再生能力がアップ。
床ずれ(褥瘡)や傷の修復にも、効果がある。
ドイツでは、関節炎の治療に使われてるんです。
メーカーが告白、実はゼラチンと中身は、ほとんど同じ。
<ゼラチンを使った料理>
・ジャーハン。
・ナポリタン。
・スープ。
解説:京都大学 農学部 佐藤健司 教授。
2017年3月1日放送の「ガッテン」より、「決定版! コラーゲンの効果100%活用SP」からのメモ書きです。

□ 効くの? 効かないの?

今週のテーマは、「コラーゲンの新事実」について。
たくさんの関連商品が売られており、お鍋も人気。
そんなコラーゲンですが、効果を疑問視する声も。
信じたい、でも、疑いもある。
果たして、実際は、どうなんだろうか?
と、番組冒頭、シルエットクイズが!
Q)コラーゲンの真実を知る人とは?
シルエットの向こうにいるのは、小林さん。
年齢は、秘密です。
コラーゲンの効果はあると、断言しましたよ。
「どのように、効果を実感されてますか?」という質問には、「すごいです」と答えた。
「最初は半信半疑だったんですが、効果がけっこう すごいので、周りの人たちも喜んでいます」と。
効果は確かにある。「でもですね…」その言葉を残して、小林さんは消えてしまいました。
はて、これは、どういうことなんだろう?
まずは、ガッテンが検証してくれました。
協力してくれたのは、肌に悩みを持つ 40代から60代の女性たち、6名です。
・冬になると、必ず、体中すべてに粉がふくくらい。
・眉間のシワと ほうれい線のシワが、ひどくて、「機嫌悪いの?」って周りに言われる。
・夕方には、いろんなところが、ダランとしてくるので。
いろんな悩みがあるんですね。
<実験方法>
使うのは、市販されている 純度100%のコラーゲン粉末。
これを、1日に 5g 飲んでもらいます。
それ以外は、いつも通りの生活を送ってもらう。
4週間後、皆さんの肌の水分量と、シワの数をチェック。
さて、どうなるか?
お肌の変化は?
6人中、水分量が増えたのは、3人でした。
半分の方は、増えてない。
シワについても、効果が出たのは、3人。
他の3人に、効果は見られませんでした。
この実験では、3人に効果が出たものの、他の3人については効果なしだった。
つまり、効果が出る人もいれば、効果が出ない人もいると。
(注意:コラーゲンサプリは食品です。薬のような効果が保証されるものではありません)
では、効果が出た人と出なかった人の差は、何なんだろうか?
効く人と効かない人の境目、そこにはちゃんと、理由があるようですよ。
□ 線維芽細胞の活躍

コラーゲンパワーに欠かせないポイントとは、何なんでしょうか?
スタジオに、模型が運ばれてきましたよ。
って、まんま清水ミチコさんじゃないか。
この模型を使って、説明してくれるわけね。
体内のコラーゲンは、皮膚の表面、近いところに集中して存在しています。
40%は、皮膚にあるのだ。
今回の主役は、「線維芽細胞(せんいがさいぼう)」くん。
口から摂取されたコラーゲンは、胃や腸で、バラバラに分解されます。
コラーゲンとしては、もう、跡形もない状態で、血液中に入ってくるんですね。
実は、17年前、2000年の「ためしてガッテン」でも、こうお伝えしてたんです。
コラーゲンは、お腹の中で分離されて、バラバラになって、もはや コラーゲンではなくなってしまうんです。
バラバラになるのは、まぎれもない事実。
しっか~し、実は、その先があったのでした。
17年間で、この続きが分かった。
線維芽細胞くんは、このバラバラになったコラーゲンの欠片を見つけて、「おっ!」となります。
で、何をするのかというと、増える。
どんどん増えて、コラーゲンを作り出すのでした。
おかげで、体内のコラーゲンがたっぷりに。
線維芽細胞くんは、私たちの体の中でコラーゲンを作ってくれる、超ありがたい存在なのだ!

この線維芽細胞くん、実は、「そそっかしい」という性質を持ってるんだって。
そして、それが重要なんです。
ネズミの皮膚から取り出した線維芽細胞に、分解されたコラーゲンの破片を、加える。
すると、「体のコラーゲンが壊れてる!」と、線維芽細胞くんが勘違い。
コラーゲンを補充するために、分裂しちゃうのでした。
(推定されるメカニズムです)
コラーゲンの破片がないと、線維芽細胞は増えません。
しかし、コラーゲンの破片があると、2日後には、30%増えた。
というわけで、条件が分かってきましたね。
コラーゲンの欠片を見つけると、線維芽細胞が増える。
(1) コラーゲンの欠片と、(2) 線維芽細胞、この2つがカギになりそうだ。
ここに、効く人と効かない人がいた理由が。
効かない人の体の中では、線維芽細胞くんが活躍してないんです。
ここで、冒頭のシルエットクイズに出てきた小林さんが、スタジオに登場!
小林さんの職業は、看護師。
埼玉県上尾中央総合病院の 小林郁美 看護師さんでした。
さて、コラーゲンを使って喜んでいる人とは、どういった方々なんでしょうか?
キーワードは、「褥瘡」。
これで、「じょくそう」と読みます。
いわゆる、「床ずれ」のことですね。
寝たきりなどで血流が悪化したところが、壊死してしまう状態のこと。
【褥瘡】
長い間病床についていたために、骨の突出部の皮膚や皮下組織が圧迫されて壊死に陥った状態。
(大辞泉)
実は、コラーゲンを摂ることによって、傷の治りが早くなるんです。
小林さんによると、手術後の傷や、潰瘍になった傷にも、効果があるのだとか。
今注目されているコラーゲンパワーとは、「肌の再生能力UP」。
それに注目しているのが、小林さんも所属している「日本褥瘡学会」なのだ。
おととしのガイドラインで、初めて、コラーゲンが推奨されました。
推奨度は「C1」(根拠は限られているが、行ってもよい)。
褥瘡、つまり床ずれは、寝たきりの状態などになると起こるケガです。
ひどい時は、骨まで達することもある。
体の弱いお年寄りの、大きな悩みになってきました。
東京都は福生市にある、目白第二病院。
ここでも、コラーゲン配合の食品が、取り入れられています。
他の病院や介護施設でも、同じ試みが。
コラーゲン入りのゼリーなどを、毎日食べるようにしたところ、それまで1年以上もよくならなかった床ずれが、わずか 1か月ほどで、改善したのだという。

コラーゲンを摂取することで、約75%の人に、大きな改善があったらしい。
(コラーゲンサプリは、食品です。薬のような効果が保証されるものではありません)
□ 佐藤健司先生の解説
ここでスタジオに、専門家の先生が登場。
京都大学農学部で 食品科学が専門の、佐藤健司 教授です。
2000年の少し前のお話。
先生のところの学生さんが、「飲むコラーゲンをやってみたい」と、突然言ったのだそう。
当時、コラーゲンを飲むと肌にいいとか、エピソードとしては、たくさんありました。
けれど、「普通、そんなことがあるはずがない」と、先生は思っていたという。
それで、実際にコラーゲンを飲んで血液を調べたのですが、分解しきれなかったコラーゲンの破片(ペプチド)が、体内に吸収されることを発見したんです。
最初に紹介した実験で、効果があった3名の方々は、ダメージがあったと推測されます。
コラーゲンペプチドだけでは、線維芽細胞は増えないんです。
ダメージがある部分を治そうとして出る「たんぱく質」も、条件となる。
<線維芽細胞が増える条件>
コラーゲンペプチド(分解されきらない破片)と、ダメージを受けると出るたんぱく質の、2つが必要。
両方がある時だけ、効果があるのだ。
<コラーゲンがおすすめの人>
(1) 高齢者。
(2) 炎症のある人(大けが、関節痛、日焼け、冬の乾燥など)。
年を取った方で、肌の状態があまりよくない人が飲んで、シワが改善するとか、そういうことはあるそう。
ただし、若い人の場合は、あまり効かなかったという報告もある。
(ダメージは修復するけど、もともとダメージがないなら、効果は薄いと)
加齢で線維芽細胞は減少します。
この時、コラーゲンによって活性化しやすいのではないかと。
(減っていたのが、増える)
佐藤先生によると、紫外線で日焼けした時など、紅斑(こうはん)という赤くなるのが少し抑制されるということも、あるのだという。
関節の痛みをコラーゲンが和らげるという研究も。
コラーゲンは、ダメージがあるところを改善するのに、役立つようです。
コラーゲンの効果を実感している人は、こんなところにも。
埼玉県にある学生寮の食堂には、コラーゲンがいっぱい。
実は、ここでは夕食ごとに、去年の5月から、コラーゲンを摂取するようにしているのだ。
みなさんは、城西大学 男子駅伝部。
箱根駅伝の常連校ですね。
練習で出たダメージを、コラーゲンで修復しようってわけ。
ガッテンのスタッフさんが、自分の体を使って、ある実験をしました。
コラーゲンは早く傷を治してくれる、ということを、確かめようとしたんです。
専門医にお願いして、人工的に、擦り傷をつけてもらいました。
使ったのは、ヤスリ。
その後、コラーゲンを飲み続け、治り具合を見ます。
そして、治ってから、もう一度 傷をつけて、飲まなかった場合も確かめた。
(期間は、2週間)
結果は、このようになりました。

(傷跡が残らぬように治療しました、とのこと)
実験した本人の感想。
「コラーゲンを飲んでいた時の方が、表面の膜が張るのが、5日ほど早かった」

研究が進む、コラーゲンの修復パワー。
ダメージがあるところで働くと、考えられています。

ガッテン! ガッテン!
□ 期待される効果

コラーゲンが持つ うれしい効果は、海外では以前から、大きく注目されていたという。
ドイツにある、コラーゲン研究所。
ここで研究されているのは、コラーゲンが持つ「関節への効果」です。
なんと、関節の中にある軟骨の再生を助けることが、分かったのだ。
コラーゲン研究所 エッサー博士の話。
「これは、軟骨細胞です」
「茶色くなっているところが、コラーゲンを生成していることを示しています」

「コラーゲンを摂取することで、軟骨の破壊を抑制し、関節炎の進行を抑えることができると考えられます」
そこでドイツでは、5年ほど前から、関節炎にコラーゲンが使われ始めているんです。
5年前から治療に利用している、ケーニヒ医師の話。
「コラーゲンは普通の痛み止めと違い、8~12週間と時間をかけて、効果が現れます」
「何より、痛みの元となる炎症が抑えられ、多くの患者さんが、つらい痛みに耐えられるようになりました」
日本で注目されているのは、動脈硬化との関係。
血管への効果だという。
実は、血管も、およそ 20%がコラーゲンで できているんです。
愛媛大学医学部附属病院。
ここでは昨年の6月から、50代から80代の男女に、コラーゲン 5g を飲んでもらい、効果について検証したのだとか。
すると、ニセのコラーゲンを飲んだ人は ほとんど変化がなかったのに対し、コラーゲンを飲んだ人は 血管のやわらかさが 平均で 5歳も若返っちゃったのだ。
愛媛大学医学部附属病院 抗加齢・予防医療センター長 伊賀瀬道也 特任教授の話。
「これまで、こういうサプリメントというのは、あまりこう、相手にしてはいけないのかな~という分野だったんですが」
「明らかに血管年齢が下がったということで、予期しないことというか、非常にビックリしたんですね」
<注意点>
コラーゲンについては、効果が「認められる」「認められない」、両方の研究結果が出ています。
国立健康・栄養研究所のコラーゲンに関する研究をまとめたホームページによれば、効果が認められるという研究のほかに、認められないとする研究結果も目立ちます。
コラーゲンは、まだまだ研究が進められている途中ということなんですね。
□ 手軽にとる方法

さて、ここからは、コラーゲンの意外な秘密について。
実は、コラーゲンとそっくりの、身近な食材があるんです。
コラーゲンサプリを作っているメーカーの製造現場に、取材させてもらえることになりました。
ガッテンボーイの亀井賢治くんが、向かいましたよ。
なんと、コラーゲンの原料は、こちら。
魚のウロコなのだ~!

ウロコから、コラーゲンの成分を抽出。
すると、まるでパスタのように、出てくる、出てくる。
この段階で特別に食べさせてもらった亀井くんの感想は、これ。
「ぷにぷに感と弾力と、ねっとり感が残りますね」
「食感がグミみたい」
実は、そのグミに使われているゼラチンが、これ(亀井くんが食べた、それ)。
コラーゲンサプリの元になるのは、ゼラチンなんです。
そのゼラチンを、もう一度、お湯でもどしたり。
またまた乾燥させたりするうちに、いつの間にやら、コラーゲンの完成!

と、亀井くんから、こんな質問が。
「コラーゲンとゼラチンの違いって、何なんですか?」
すると、こんな答えが返ってきた。
「ぶっちゃけ、言いたくは ないんですけど」
「ゼラチンもコラーゲンも、ほとんど中身は同じなんです」
ただし、値段はだいぶ、違うようです。
あくまで相場ですが、100g あたりの値段は、こうなる。
コラーゲン(サプリ用):1000円~2000円程度
ゼラチン:500円程度
(配合されている成分などによっては、この範囲を超えるものもあります)
もちろん、違いもあります。
ちゃんと精製されているものと、そうではないもの。
コラーゲンサプリとゼラチンを同じ量だけ食べた時に、どのくらい血中に欠片が届いて、線維芽細胞を目覚めさせてくれるか、その届く量を調べたデータがあります。
「血中への吸収率」は、ゼラチンを「1」とした場合、コラーゲンサプリは「1.8倍」だった。
(体質などによる個人差があります。メーカーや商品などによっても、異なります)
□ ゼラチンを使った料理

ここからは、ゼラチンを使った料理を紹介しちゃいます。
実は、ゼラチンには、様々な料理をおいしく変身させるパワーが秘められているのだ。
その一つが、「保水力」。
水分をしっかりキャッチするので、チャーハンだって、おいしくなる。
使う油が少なくなって、しかも、簡単にできちゃう。
(油は、フライパンで作る場合の 1/30)
(その分、通常より、100kcalも ヘルシーになる)
<チャーハン×ゼラチン>
材料:3~4人前
米:2合
ゼラチン:小さじ1
焼き豚:50g (5ミリ角)
塩:小さじ1
長ねぎ:1/2本 (みじん切り)
卵:1個
こしょう:少々
しょうゆ:小さじ2
ごま油:小さじ1/2
(1) 米を洗いご飯を炊くのですが、水の量を、大さじ3程度 少なくします。
(2) 代わりに、お湯(大さじ1程度)で溶いたゼラチン、焼き豚、塩を入れて、ご飯を炊く。
(3) 炊きあがったところに、卵に醤油、コショウ、ごま油を溶いたものと、長ネギのみじん切りを加え、炊飯器のフタを閉じて、5分間 蒸らしましょう。
(4) 最後に、しっかりと かき混ぜたら、完成です。
ゼラチンが、お米一つ一つをコーティングすることで、余分な水分とデンプンが出てきません。
なので、ふんわりとした食感になるのだ。

<パスタ×ゼラチン>
材料:1人前
パスタ:100g
ピーマン:10g
たまねぎ:75g
ベーコン:15g
オリーブオイル:大さじ1/2
ケチャップ:大さじ4
ゼラチン:小さじ1強 (2g)
ゆで汁:大さじ6 (90ml)
(1) パスタをゆでるのですが、袋に書いてある時間の1分前に、鍋から上げてください。
(2) スライスしたタマネギと、1センチ幅に切ったベーコンを、油をひいたフライパンで炒める。
(3) 火が通ってきたら、ケチャップを加え、加熱してから、ゆで汁で溶いたゼラチンを加えて、少し煮詰めてください。(ケチャップによく火を通した方が、甘味が出ます)
(4) そこに、ゆであがったパスタを加え、ソースにからめる。
(5) 仕上げにスライスしたピーマンを入れて、よく混ぜたら、できあがり。
ゼラチンを、パスタソースに混ぜる技(1人前につき 2g)ですね。
麺のまわりをコラーゲンがコーティングすることで、冷めても弾力がキープ。
お弁当に、おススメです。

<スープ×ゼラチン>
加えるゼラチンは、スープの量に対し、1%が おススメ(濃度が 1%になるようにする)。
スープなどに入れると、コク、まろやかさ、甘味などがアップします。
(例)
ラーメンには、大さじ1弱。
汁ものやスープには、小さじ1弱。
カレーやシチューには、小さじ1。
(あくまで目安です。調節してください)

□ まとめ
・研究が進んでいる症状は、こちら。
→ ケガ、日焼け、乾燥、関節炎など。
・コラーゲンもゼラチンも、薬ではなく、あくまで食品です。
→ 症状にお悩みの人は、病院へ。
・こんな人は、お医者さんに相談してからにしてくださいね。
→ 肝臓病、腎臓病、アレルギー、妊婦など。
□ 膠と日本画
ガッテンボーイの池田倫太朗くんが向かったのは、兵庫県姫路市。
ここに、伝統的なコラーゲン製品があるのだという。
使うのは、コラーゲンたっぷりの牛の皮。
川の水に 2週間つけた牛の皮の表面を削り、最もコラーゲンが含まれる部分を、煮詰めます。
抽出した液体を干して、乾燥させると、「膠(にかわ)」ができる。
この膠が欠かせない現場が、東京藝術大学にあります。
「保存修復日本画科研究室」
日本画の色鮮やかな色彩を生むのが、顔料と呼ばれる絵具です。
ここで、膠が活躍するのだ。
膠をバラバラに砕いて、水でもどして、加熱する。
このトロトロしたものを使うことで、顔料が定着するんだって。
日本画科研究室の方のお話。
「古典絵画においては、絵具も発色も、すごく大事な問題になってくるので、膠の取り扱いをしっかりできることが、重要なポイントだと思います」
日本画にも関係しているとは、いや~、コラーゲンって、奥が深いな~。



次回は、「突然の激痛! 意外と知らない“盲腸”の真実」を予定。
[関係する記事]
→ 「泡じょうゆは、ゼラチンと網じゃくしで」
→ 「ゼラチンで炊飯器チャーハン」
→ 「メリハリ作戦で減塩&ラべリング効果」