昔と違って足の指を使わなくなった結果、現代人に浮き指が増えてしまったようです。
また、足元にも原因が。
ブカブカ、足先が狭い、そんな靴は要注意!
シューフィッター 武田剛さん直伝、ピッタリ合った靴のチェックポイント。
桜美林大学 健康福祉学群 阿久根英昭 特任教授の解説。
理学療法士の湯浅慶朗さん直伝、「ひろのば体操」も紹介します。
これは転倒予防にもなり、運動能力の向上にもつながる。
2018年7月18日放送の「ガッテン」より、「10万人調査で判明! 腰痛・ひざ痛 劇的改善のカギは足形!?」。
その後編です。

□ 指が浮いてしまう原因

前編では、浮き指が「腰痛」や「ひざ痛」につながることを学びました。
阿久根先生によると、現代の日本人は 昔に比べ 浮き指が増えたらしい。
その原因は、何なのでしょうか?
そのヒントになるのが、これ。
「わらじ」です。
さあ、詳細について、先生に教えてもらいましょう。
スタジオに登場したのはこの方。
桜美林大学 阿久根英昭 特任教授です。
先生は、おっしゃった。
「今まで、30年40年やってきまして、足の大切さっていうことが、ほとんどの方が ご理解いただいてないんですね」
「やっぱり、こういう風に、浮き指ですとか、そういう風に、足がおかしくなってきてるよっていうことを、いろんな機会、与えていただきながら、そこで検証してきたんです」
「それでも、まだまだ」
ほとんどの人が、まさか自分の足が浮き指になってるだなんて、思ってないはずです。
「足を地について、バランスよく生活してなければ、身体にいろんな影響が及ぼされるんだよ、っていうことも、ぜひ、知っていただきたい」
「わらじ」ですが、これを履くと、足の指で鼻緒をつかむことになります。
そうしないと、歩けません。
また、指が出ているので、自然と足の鍛錬になってたんです。
なので、(あくまで推測になりますが)昔は 浮き指の人はいなかったであろうと。
「近年になるにつれて、浮き指の人は非常に増えてきている」と、先生は言います。
では、浮き指自体が、なぜ起きるのか?
それは結局、「指を使わないから」だと。
歩かないというのも、指が着かない原因だという。
そして、一番重要なのが、「靴」。
阿久根先生は言います。
「靴を選ぶ時に、自分の足に合った靴を選んでいただかなければ、浮き指の原因になってしまうんです」
「まず、一つは、ぶかぶかな靴」
こんな実験があります。
靴下に、光ファイバーのセンサーを取り付けました。
これを履いて、歩いてもらいます。
靴の中で指がどう動くか、調べたってわけ。
楽なぶかぶかの靴の場合、足の指は、浮いてしまっていました。
靴が脱げないように、無意識に、指を上に動かしてしまってたんですね。
また、ヒールなどで、前が狭い時。
つま先が細い、窮屈な靴の場合。
狭いので、指が浮いてしまっていた。
圧迫されて、真ん中の指が、押し上げられてしまうんですね。

これで指が浮いてしまうわけだ。

日本の場合、明治時代以降、靴文化に変わってきました。
しかし、欧米とは、基本となる文化が違います。
日本では、靴は玄関まで。
そこで靴を脱いで、家に上がります。
つまり、頻繁に、靴を脱いだり履いたりする。
これを面倒だと感じる人も、いるでしょう。
靴を脱ぐ時に、1回1回靴ひもを外して、また履く時に、靴ひもを結びなおす。
そうしない人の方が、多いのではないでしょうか。
靴ひもはそのままで、足を突っ込んだり、脱いだり。
時には、靴ベラを使ったりと。
楽に脱げる靴を選ぶ → ぶかぶかな靴 → 浮き指に。
知らないうちに、こうなってしまうようです。

日本人の多くに、浮き指の傾向があります。
それが、腰痛やひざ痛、肩コリなど、様々な症状を引き起こしている可能性がある。

ガッテン! ガッテン!
□ 靴をピッタリ履くためのチェックポイント

靴と浮き指の関係を調べた、最新研究があるそうな。
石川県にある、白山市立 石川小学校。
ここでは定期的に、「上履きの検査」が実施されています。
子どもたちの靴を見ているのは、金城大学 医療健康学部の 小島聖 准教授だ。
5年前から、県内の幼稚園児から高校生まで、1000人以上の足と靴を調査してきました。
小島先生のお話。
「子どもたちの足を見てますと、実際に、足の大きさに対して 大きい靴を履くと、指が地面に着かなくなるような、浮き指と呼ばれているような状態になることが多いなと、調査結果で分かりました」
そこで昨年、浮き指の児童が履いていた「大きめの靴」を、「ピッタリの靴」に換えてみたんです。
すると、1年後には、こうなった。
初め着いていなかった足の指が、次の調査では、足の指が全部、地面に着くようになっていたのだ。
7割の児童が、浮き指を改善することができました。
では、靴が合っているかどうか、見極めるポイントを、専門家に教えてもらいましょう。
シューフィッター 武田剛さんです。
<靴をピッタリ履くための チェックポイント>
(1) 甲の部分をチェックします。
甲の部分に、指が簡単に入る隙間があると、ぶかぶかな靴の証拠。
(2) スポンと靴が履ける人は、要注意!
ヒモをほどかずに、脱いだり履いたりしている人は、たとえ靴のサイズが合っていても、緩い靴を履いているのと同じことです。
(3) しっかりヒモを結べば、浮き指 予防になるだけでなく、履き心地もよくなります。
(4) つま先の親指の位置も、重要。
靴の先に余裕があり過ぎると、ぶかぶかな状態。
逆に、余裕が無いと、指が靴の先に当たってしまう。
(5) 理想は、踵(かかと)を合わせてから、つま先に「 1cm~1.5cm 」の隙間があるくらい。

気になる人は、チェックしてください。
さあ、次は、浮き指の改善方法だ!
□ 浮き指 改善 ひろのば体操

AさんとBさんの足形。
そのビフォーアフターを見てみましょう。

足の指、写るようになってますよね。
あることをしたら、こんなに改善したんです。
Aさんなんか、全然違う。
2か月で、これだけ改善しました。
指導してくれたのは、この方。
理学療法士の 湯浅慶朗さん。
浮き指を改善し、腰痛やひざ痛に悩む「8割」に効果が出るという体操を、開発しました。
その体操の名前は、「ひろのば体操」。
足の指の間に、手の指を入れて、グ~ッとやる。
Aさんも、この体操を 2か月間 毎日実践しました。
さらに、それまで履いていた「ぶかぶかな靴」から、「ピッタリサイズのヒモ靴」に変更。
すると、2か月で、浮き指が劇的に改善したのでした。
次第に、ヒザや腰の痛みが軽くなり、今では、以前のように歩くことができるようになった。
40年間、肩や腰の痛みに悩んできた、Bさん。
こちらも、ひろのば体操を 2か月行うことで、浮き指が改善しました。
身体の痛みも、ウソのように消えたのだそう。
スタジオで、ガッテンボーイの亀井くんが、この体操を披露してくれましたよ。
<ひろのば体操>
(1) 片足を、ももの上にのせます。
足首は、まっすぐ伸ばした状態。
(2) のせた足の反対側の手を、足の指に入れていきます。
足の指を広げて、手の指の付け根で はさみ、軽く握る感じ。
(3) そのまま、足の甲の方に、やさしく曲げてください。
これを 5秒間。
(4) 今度は、足の裏の方に曲げて、これも 5秒間。
(5) これを、15往復 繰り返します。
1日 1回でOK!
両足で、5秒×2×15×2=300秒=5分 。
足の甲の固まった筋肉がほぐれて、浮き指が改善するとのこと。

(* 痛みがある時は、控えてくださいね)
□ 体操の効果

この「ひろのば体操」、今、様々な場所で、広がり始めているのだとか。
福岡県は久留米市。
芦塚下田保育園でも、やってるぞ。
1・2・3・4・5と、大きな声で、実践してる。
かわいいな。
保育士さんのお話。
「園内でも転びやすかったりとかですね、転倒があったりとか、そこから ケガにつながったりしてたので」
「体操することによって、転倒も確実に減ってますし、運動能力の方も向上してます」
ひろのば体操を取り入れてから、子どもたちの転倒が減ったのだ。
なるほど、転倒予防にもなるのか。
福岡県立 三潴(みずま)高等学校。
ここの水泳部も、ひろのば体操を取り入れています。
最初は半信半疑だったのだそう。
でも、やってみると、スタートの反応速度が向上したのだそうな。
蹴り出しの力が増して、スタートにかかる時間が短縮したようです。
成績がよくなる生徒が続出したらしい。
足の指って、バカにできませんね。
気になる人は、1日1回、ひろのば体操を!


来週のガッテンは、お休みです。
次回の放送は、8月1日になります。
健康食材、にんにく。
ニオイを嗅ぐだけで、血流アップ!
食べるだけで、血圧もコレステロールも、下がっちゃう!
しかも、臭くないって、ホントなの?
「コレステ・血圧・動脈硬化に! ニンニクの力 120% 活用術」。
前編 → 【浮き指 前編】 チェック法&腰痛との関係
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→ 【足のクリニック】 症状と靴の選び方
→ 「無痛ハイヒール+スロージョギングのポイント」