ダイエットやメタボ対策の天敵といえば、砂糖(糖質)ですよね。
今回は、ヘルシーな「天然甘味」に注目。
(1) メープルシロップ
(2) ハチミツ
甘いのに低カロリーで、血糖値が上がりにくく、高血圧予防や免疫力アップの効果が。
(3) 甘酒(別名 飲む点滴)
米麹にはペプチドが多く含まれ、夏バテや胃もたれに最適。
酒粕に含まれるレジスタントプロテインは、悪玉コレステロールを減らしてくれる。
飲むのは常温で、きな粉をプラスし、美肌を目指す。
ドクネット:東京女子医科大学 内科学(第二)講座 市原淳弘 主任教授。
ゲンキスチューデント:IMALU。
ゲンキリサーチャー:ザ・たっち(たくや&かずや)。
ゲスト:藤原紀香。
2017年5月28日放送の「健康カプセル! ゲンキの時間」より、「~ 甘いのに健康で美しくなれる! ~ 世界が注目! ネイチャースイートソース」からのメモ書きです。

□ メープルシロップとハチミツ

今、世界中の健康志向の方々が注目しているアイテムがあるのだという。
それが、「ネイチャースイートソース」。
甘いのに、こんな特徴があるといいますよ。
・低カロリー。
・血糖値が上がりにくい。
・高血圧予防や免疫力UPの効果。
でも、こんな夢のような話、本当にあるんだろうか?
ネイチャースイートソースが世界で注目されるようになったのは、WHOが2015年に糖質の摂取基準を厳しくしたのが、きっかけの一つと言われています。
そこで、恒例の基礎クイズ。
Q)WHOが定めている砂糖の摂取制限は、1日にティースプーン何杯分でしょうか?
A:約3杯。
B:約5杯。
C:約8杯。
答えは、「B:約5杯」。
重さでいうと、「25g程度」。
肥満や病気を予防するため、それまで 50g未満だった摂取制限を、25g未満に変更したんです。
最初に紹介するのは、暮らしに身近な、2つのネイチャースイートソース。
向かったのは、埼玉県秩父市にある とある施設です。
何やら液体を煮詰めているようですよ。
実は、カエデの樹液を煮詰めて、メープルシロップを作っているのだ。
秩父地方は「冷温帯」と呼ばれ、夏と冬の寒暖差が、40℃近くあるんです。
その環境が、メープルシロップの原料となる「カエデの木」の育成に適しているらしい。
なので、メープルシロップと共に、カエデの木の生産量も、日本トップクラス。
MAPLE BASE 井原愛子さんのお話。
「メープルシロップはですね、冬の寒い時期、2月から3月にかけて、秩父の山奥で採取したカエデの樹液をですね、エバポレーターという機械で煮詰めて、だいたい 1/40 ぐらいになるまで煮詰めまして、メープルシロップを作ります」

煮詰めることで、砂糖を使わなくても、自然由来の甘味が生まれるのだ!
もう一つの暮らしに身近なネイチャースイートソースが、こちら。
おなじみの「ハチミツ」です。

(ハチミツは、1歳未満の乳児には食べさせないでください)
メープルシロップとハチミツ。
それぞれの主な効果は、次の3つ。
<メープルシロップ&ハチミツの健康効果>
・低カロリー。
・血糖値が上がりにくい。
・高血圧予防、免疫力UP。
実際、どれほど低カロリーなんでしょうか。
管理栄養士の柴田真希さんに、教えてもらいます。
100gあたりのカロリーを比較すると、こうなります。
<カロリー>
砂糖:384kcal。
メープルシロップ:257kcal。
ハチミツ:294kcal。
砂糖より、カロリーが低いですね。
では、甘さはどうでしょうか?
糖度計で、比較します。
(砂糖は、15gに水3ccを加えて、測定)
<糖度>
砂糖:67.6。
メープルシロップ:56.8。
ハチミツ:70.2。
低カロリーなのに、甘さはバッチリ あるようですね。
ハチミツにいたっては、砂糖よりも甘い。
つまり、より少量ですみます。
では、血糖値の上昇については、どうなるでしょうか?
比較するのは、「GI値」。
GI値とは、食品が体内で糖に変わり、血糖値が上昇するスピードを測った値です。
数値が低ければ低いほど、血糖値の上昇がゆるやかになり、肥満はもちろん、糖尿病などの病気予防に、つながる。
<GI値>
砂糖:109。
メープルシロップ:46。
ハチミツ:88。
メープルシロップもハチミツも、砂糖と同じぐらい甘いのに、カロリーは低い。
しかも、血糖値は上がりにくいと。
まさに、「罪悪感のない甘み」です。
<病気予防>
メープルシロップは、高血圧を予防するカリウムが豊富。
塩分を、身体の外に排出してくれます。
(腎臓に病気がある方は、カリウムの摂取に注意しましょう)
では、ハチミツはどうでしょうか?
専門家に話を伺いましょう。
京都産業大学 総合生命科学部の 竹内実 先生です。
「私たちの研究室で、ハチミツに免疫作用を活性化するという研究の成果が出てきました」
そう、ハチミツは、免疫力UPの効果が期待できるのだ。
免疫細胞の一つ、「好中球」。
ゆっくりと動いていた好中球ですが、そこにハチミツを垂らすと、動きが活発に。
ハチミツを加えた途端、運動速度が5倍になったそうです。
こんなにすごい、メープルシロップとハチミツ。
2つのソースを賢く摂る方法は、砂糖の代わりに、料理に使うこと。
<メープルシロップのメリット>
・料理にコクが出る。
糖とアミノ酸を加熱することによって、香気成分が生まれ、料理にコクが出る。
メープルシロップには、樹液だからこその香気成分が含まれており、ハチミツよりもコクが出るのが特徴。
それだけでなく、肉じゃがなどを作る際に、砂糖の代わりに使えば、カロリーも抑えられるので、おススメです。
<ハチミツのメリット>
・肉料理をやわらかくする。
ハチミツに含まれるブドウ糖と果糖は、肉の繊維に入り込み、焼いた時、たんぱく質が固まるのを防ぎます。
また、肉を分解する「プロテアーゼ」という酵素も入っているので、よりやわらかくなるんです。
というわけで、おススメは、ステーキ。
ステーキの両面にハチミツを薄く塗り、15~20分後に焼くと、やわらかくなるそうですよ。
□ 甘酒の効果

次に紹介するネイチャースイートソースは、日本生まれ。
別名「飲む点滴」とも言われます。
向かったのは、東京都は千代田区にある「天野屋」。
創業171年、江戸時代から続く老舗だという。
迎えてくれたのは、大女将の天野寿美子さんと、女将の天野史子さん。
お二人とも、肌がすごくきれいです。
若々しいうえに、病気知らずだという。
これも、飲む点滴と呼ばれる日本のネイチャースイートソースの効果なのだろうか。
その正体は、「甘酒」でした。
広く飲まれるようになったのは、甘酒売りが登場した江戸時代。
当時の庶民の暮らしを描いた「守貞謾稿(もりさだまんこう)」にも、その様子が知らされています。
その頃から、疲労回復などに効果があるといわれ、庶民の健康を支える飲み物だったらしい。
では、天野屋では、甘酒をどのように作っているのでしょう?
まず、蒸籠(せいろ)で、お米を蒸します。
その後、同量の米麹(こめこうじ)と混ぜ合わせる。
甘酒には、米麹から作るものと、酒粕(さけかす)から作るものがあり、天野屋では、米麹の甘酒を提供しています。
酒粕のものとは違い、砂糖を一切使わないのが、特徴の一つ。
蒸しあがった米と米麹を、1対1の割合で混ぜ合わせ、その後、60℃の温蔵庫に入れ、約10時間発酵。
これで終わりではなく、甘さを引き出すため、常温に出して、2~3日ならします。
完成した甘酒のもとに水を加えれば、米麹の甘酒の完成だ。

そんな甘酒の具体的な健康効果を、専門家に教えてもらいましょう。
東京都は新宿区にある、東京女子医科大学病院。
内科学(第二)講座 主任教授の 市原淳弘 先生です。
「甘酒というのはですね、ビタミンB群、アミノ酸、ブドウ糖、オリゴ糖、これら栄養素を、たくさん含むんですね」
「しかもですね、発酵していますので、吸収しやすくなっているんです」
「ですので、飲む点滴と呼ばれているんです」
栄養を吸収しやすい=飲む点滴
様々な栄養が詰まっていて、しかも吸収しやすい、甘酒。
中でも、砂糖を使わない米麹の甘酒には、より多くの健康効果があります。
これからの暑い時期、夏バテや胃もたれが増えてきますよね。
そんな時、飲む点滴が、非常に効果を発揮してくれるのだ。
<甘酒の消化に関する実験>
2つのシャーレに、食べ物に見立てたデンプンを入れ、その中央にくぼみを作ります。
1つには 米麹で作った甘酒を、もう1つには 酒粕で作った甘酒を、垂らす。
保温庫で、約24時間保管。
結果を分かりやすくするため、それぞれに、ヨウ素液を垂らしました。
すると、こんな結果に。
米麹の方は、デンプンが分解され、色がついていません。
これは、体内に置き換えれば、食べ物が消化されたということ。
つまり、消化酵素が多いことを意味しています。
でも、なぜ、そうなったのでしょうか?
米麹の甘酒には、「ペプチド」という成分が含まれているんです。
そのペプチドの作用の1つに、消化酵素の作用があって、胃もたれや夏バテに最適なんですね。
さらに、血圧の上昇を抑える効果が期待できるため、高血圧を気にする人にもおススメ。
一方、酒粕の甘酒には、どうなメリットが?
カギとなるのは、酒粕の甘酒に多く含まれる、「レジスタントプロテイン」です。
レジスタントプロテインは、脂を吸着して、体外に排出してくれるのだ。
つまり、酒粕の甘酒を飲めば、肥満の解消や、様々な病気の原因となる悪玉コレステロールを減らす効果が、期待できると。
(ただし、肥満解消のためには、砂糖の摂り過ぎに注意してくださいね)
最後に、ザ・たっちが聞きました。
「ちなみに、先生は、甘酒は作る派ですか? 買う派ですか?」
すると、市原先生が答えた。
「私は丑年(うしどし)ですから、買う派です」
牛=COW(カウ)=買う
バンザーイ! バンザーイ!
□ ドクネット
引き続き、東京女子医科大学 内科学(第二)講座の 市原淳弘 主任教授に、教えていただきます。
甘酒の飲み方には、ポイントがあるようですね。
常温で飲む。
米麹の甘酒は、温めすぎると、ペプチドの効果がなくなる恐れが。
また逆に、温度を下げ過ぎると、ペプチドの作用が鈍る。
(冷蔵庫から出して、常温にして飲みましょう、とのこと)
<おススメ ちょい足しレシピ>
米麹の甘酒+きな粉
きな粉を加えると、食物繊維が豊富になり、腸内環境を良くする効果が期待できます。
さらに、女性ホルモンに似た「イソフラボン」も摂取することができる。
市原先生いわく、「美しさや健康を維持するためには、最も適した組み合わせじゃないでしょうか」。

(甘酒にはカロリーや糖分が含まれているため、飲み過ぎに注意してください)
(また、酒粕の甘酒には 1%未満の微量のアルコールも含まれているので、飲用には注意してください)

三宅裕司さんと藤原紀香さんが出演する舞台、「熱海五郎一座 『消えた目撃者と悩ましい遺産』」(6/2~27 新橋演舞場)のチケットが発売中とのこと。
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