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【乳がん】セルフチェック方法と家族の支え/ゲンキの時間

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10月1日は、ピンクリボンデーでした。

そう「乳がん」の早期発見や検診の必要性を訴える日です。

しかし、知っているようで知らない病気でもありますよね。

「男性もなるの?」

「胸の大きさは、関係あるの?」

「どこまで温存できるの?」

「どんな人がなりやすい?」


疑問に答えてもらいながら、家族の支えについても学んでいきましょう。

最後には、セルフチェックの方法を紹介します。



ドクネット:昭和大学 医学部 乳腺外科の 明石定子 准教授。

ゲンキリサーチャー:山田まりや。

ゲンキスチューデント:春香クリスティーン。



2016年10月02日放送の「健康カプセル! ゲンキの時間」より、「~ 検診は? 治療法は? ~ 乳がん! 家族と共に闘う方法」からのメモ書きです。




ゲンキの時間 乳がんと家族の支え




乳がんと検査


ササミ
今週のテーマは、「乳がん」

日本では 年間に 約7万4千人がかかり、それは 女性の11人に1人の割合だという。


北斗晶さんや生稲晃子さん、小林麻央さんなど、有名人の乳がんにまつわるニュースも、耳にすることが多くなりました。

もしも、家族が乳がんだと宣告されたら…。


実際に闘っている方々から、学んでいきます。




今回から、プチリニューアル。

MCはそのまま、三宅裕司さんと渡辺満里奈さんです。

新たに加わるのは、ゲンキスチューデントという仲間。

これは、健康に関する知識があまりない若手の人に学んでもらおうという制度です。

今週は、春香クリスティーンさんが出席してくれました。

知らないことは、専門家に、どんどん質問してもらいましょう。



まずは、クイズから。



Q )乳がんは、女性特有の病気である。

○でしょうか? ×でしょうか?








答えは、「×」

男性も、乳がんになるんです。

ただし、割合は、全体の0.5%。200人に1人。



もう1問。



Q )乳がんになりやすいのは、胸の大きい人と小さい人、どちら?







答えは、「どちらでもない」

胸の大きさは、関係ありません。




意外と知らないことが多い、乳がん。

街の人たちは、どう思っているのでしょうか?

ゲンキの時間ではおなじみ、東京都は品川区にある 武蔵小山パルム商店街で、聞いてみました。


やはり、詳しく知らない人が多いようです。


そこで、専門家に教えていただくことに。

昭和大学 医学部 乳腺外科の 明石定子 准教授です。


乳がんは、進行具合の観点からすると、大きく2つある。


そもそも乳がんとは、母乳を作り出す「乳腺(にゅうせん)」という器官にできる がんのことです。

その進行度を示す基準の1つが、「非浸潤(ひしんじゅん)」「浸潤(しんじゅん)」かどうか。


「非浸潤がん」は、がん細胞が乳管内に留まっているため、命の心配は あまりないのだという。ほぼ100%、治癒できる。

一方、「浸潤がん」では、がん細胞が乳管を破った段階なので、乳腺の周りにある血液やリンパ節の流れにのり、他の臓器へ転移する可能性が出てくるんです。


浸潤がんの場合、どの程度の状態なのか、進行度の目安を示すのが、「ステージ」

一例ですが、下図のように、大きく4段階に分かれているのだそう。


乳がんのステージ~ 浸潤がんの一例





乳がんに関する疑問や不安でよく聞かれるのが、これ。

「乳房を切らねばならないのか?」

「どこまで温存療法ができるのか?」


治療の基本は手術ですが、がんの大きさや場所で、乳房を残せる「温存術」か「全摘出」か、方法が決まるそうです。


「温存術」か「全摘出」かの一例


全摘出の場合は、新たな乳房を作り出す「再建」を選ぶことも可能。

2013年7月から「インプラント」という人工物が保険適用になったことで、再建を行う人が多くなったのだとか。


下の画像は、右の乳房を全摘出後、インプラントを挿入した例。

傷も目立たず、キレイに再建できるようですね。


インプラント




街では、検診についての疑問も。


「検診を受けていても早期発見できない理由は?」


乳がん検診は、主に2つある。

「マンモグラフィ」「超音波検査」です。

(マンモグラフィは、乳房専用のレントゲン)



マンモグラフィでは、乳腺は白く、脂肪は黒く映る。

しかし、がんなどのしこりも白く映るんですね。


そこで問題となるのが、高濃度乳房である「デンスブレスト」。

乳腺の濃さは、年齢や体質など、個人差が大きく、その濃度が高いデンスブレストの場合、画像に真っ白な部分が多く、白いしこりが発見しにくいんです。


マンモグラフィの欠点




「マンモグラフィのメリット」:がんの初期サインである石灰化を見つけやすい。

「マンモグラフィのデメリット」:しこりと乳腺が同化しやすい。


「超音波検査のメリット」:しこりがはっきり見える。

「超音波検査のデメリット」:小さいと、良性か悪性かの判断が難しい。


そういう理由があるので、それぞれのデメリットをカバーし合うよう、両方の検査を受けることが大事なんです。



さらに、毎年乳がん検診を受けていても早期発見できない理由が。


それは、「進行の早いタイプ」のがんであること。

ただし、これはとてもレアなケースで、1年の間で進行してしまうような早いタイプは、全体の1割未満なのだそうです。


そして、大事なことがある。

「乳がんは全体で見ると、8~9割の人は治る」んです。

早期であれば、治りやすい がんなんですね。




ドクネット


引き続き、昭和大学 医学部 乳腺外科の 明石定子 准教授に、教えていただきます。



<乳がんのリスクが高まる要因>

(1) 血縁者に乳がん経験者がいる。

(2) 初潮が早い または 閉経が遅い。

(3) 過度な飲酒を好む。

(4) 閉経をきっかけに 太り始めた。

(5) 年齢が40代以上。




11歳未満の初潮だと、早いそうです。

月経の回数が多いほど、女性ホルモン・エストロゲンにさらされている期間が長くなり、リスクが高まるのだとか。

また、未産や高齢初産も、リスクが高くなる要因に。


日本人の閉経の平均は、53歳。

5年遅くなると、1.4倍 リスクが高くなる。


また、血縁者に乳がん経験者がいると、リスクは2倍に。


過度な飲酒とは、毎日2合以上。

アルコールを分解する際に出るアセトアルデヒドに、発がん性があると考えられている。


太ると増えるのが、脂肪。

これは女性ホルモン・エストロゲンの供給源になるので、注意が必要らしい。




明石先生によれば、「20代の乳がんは、ほとんどない」のだそう。

ただ、血縁者に30代で乳がんになった人がいる場合は、その年齢より5歳若い年齢から受けるとよい、とも。


市町村の乳がん検診では、40代から2年に1回受けられる。

(ただし、自治体によって異なります)

上で紹介したリスクに当てはまるような場合は、1年に1回検診した方がよいそうです。




家族の支え


女性の問題だと思われがちな乳がんですが、もし、奥さんや娘さんが宣告されたら…。

何て声をかけていいのか、分かりませんよね。




[体験談(1)]


54歳の女性、Aさん。

始まりは、4年前だったという。

夜、布団に入った時、何気なく触ったら、「あれ? しこりか何かあるかな? 左右で違うな?」と気づいたらしい。

小豆の半分くらいだったという。


Aさんは乳がん家系であったことから、時々、セルフチェックを行っていたそうなのです。

これが、発見するきっかけに。


すぐに受けたマンモグラフィと超音波などの検査では、良性だと診断されました。


しかし、念のため、半年ごとに続けていくと、左乳房が ステージ1 の浸潤がんだと宣告された。


仕事のこと、子どもたちのこと、どこの病院で、どの先生に手術してもらおうか…。

いろんなことが頭の中をめぐって、真っ白になるというよりは、これから先 どうやって進んでいくべきか? 頭の中がどんどん動いていたと、Aさんは振り返ります。


仕事中の旦那さんには、病院の駐車場から、こみあげてくる涙をぬぐいつつ、メールで伝えたそうです。


旦那さんとは、21歳からの付き合いで、26歳で結婚。

いつも一番の理解者であり続けてくれたという。


が、そんな旦那さんでも、一遍には飲み込めませんでした。

「本人よりも、受け入れてなかったかもしれない」と、当時を振り返る。

「真実でなければいいな」と思ったそうです。


本人のことを思えば思うほど、かける言葉が見つかりません。

家族の中心でいつも笑っている妻が、もし いなくなったら…。


しかし、一方のAさんにとっては、そうやって話を聞いてくれるだけで、ありがたかった。


Aさんの場合、がんが2個もあり、乳頭に近い場所だったため、形を保てないことから、全摘出を選択。

そして、同時再建を選び、皮膚を伸ばすエキスパンダーを入れて、手術が終了。

その後は、再発防止のため、半年間の抗がん剤。ホルモン剤の服用は5年間。

10年後までは、経過観察のための通院と検査が続きます。


乳がんは切って終わりではなく、術後も、長い闘病生活が続くんです。



そんな時、家族はどう支えるべきなんでしょう?



抗がん剤治療が始まると、Aさんは数々の副作用に襲われました。

しかも、蓄積していくので、1回目よりも2回目、2回目よりも3回目と、どんどん出てくる。

今現在も、Aさんは熱いものを触ると、指先がピリピリするのだそう。

しびれたのとは違う、刺すような痛み。

抗がん剤の治療は2年前に終わったものの、人によっては、手先の痛みだけは数年続くこともあるといいます。

そのため、麺類や枝豆などをゆでた後の処理や、洗い物などは、旦那さんの担当に。

検診的に、サポートしてくれました。


抗がん剤投与の直後には、足裏の皮膚がめくれるという副作用も。

その時も、旦那さんが、入浴後にめくれた皮をハサミで切り、保湿剤を塗り、さらに、むくんでいる足のマッサージを毎日欠かさず行ってくれていたそうです。


そして、手術から2年後の 2015年、インプラントを入れ、乳頭と乳輪を再建完了。


今もなお副作用と闘っている Aさんが、周囲の対応について思うこと、それは…。

「お互いに、何をしてほしいのかとか、何を求めてるのか…。探り合うのではなく、言葉で具体的に伝えるのも、大切なんじゃないかな~と思うんですね」






[体験談(2)]


50歳の女性、Bさん。

始まりは、約8年前。

40歳を超えて初めて受けた区の検診のマンモグラフィで、乳がんが発覚。

左胸の乳房に、ステージ3のリンパ節転移あるの浸潤がんと宣告されました。

その時は、頭が真っ白になり、「何言ってるの?」と信じられなかったという。


2009年に、温存術を選び、がんを切除。

さらに、転移していたリンパ節を、全摘出した。


その後、抗がん剤、放射線、ホルモン剤の治療を開始。

つらい副作用の中でも、特に苦しんだのが、「うつの症状」でした。


旦那さんと娘2人の、4人家族。

現在15歳の次女ですが、当時は7歳。

病気のことはまだよく理解できない年齢です。


Bさんがうつ状態になった時には、「ママ、がんになってごめんね」と謝ったと、娘さんは振り返る。

もちろん迷惑ではないし、母親が悪くないことは、分かっていました。

「母親のために動くことは、苦だと思ってなくて」と、当時の気持ちを、次女が語ってくれた。


そんな時、子どもたちは家のことを手伝うのはもちろん、ある方法で、気持ちを癒してくれたのでした。


それは、ちょっとしたサプライズ。


絵がたくさん散らかっているので、「何だろう?」と片付けたら、付箋が出てきて、つなげたら、メッセージになった。

「ママの病気が治りますように」


みかんを食べようと手を伸ばすと、皮にメッセージが書かれていたことも。

「ママ大好き」


冷蔵庫に貼ってある連絡用のホワイトボードに、励ましの言葉が書かれていたこともあった。


日常生活で手にするあらゆるものに、子どもたちの温かい言葉が、添えられていたのでした。



「全部が生きる力になりました」と、Bさんは言う。

どうしても迷いや不安が浮かんでくる中、それを吹き飛ばす生きる原動力になったと。
 



セルフチェック


ササミ
最後に、乳がんのセルフチェックを紹介。




<乳がんセルフチェック>


(1) 鏡の前に立ち、乳房に変形や左右差、腫れ、えくぼのようなひきつれ、乳頭のただれ等がないか、観察する。

(2) 4本の指の腹で、乳房全体を「の」の字を書くように、しこりがないか調べる。

(3) 月に1回、月経終了後、1週間以内に行うようにしましょう。



乳がんセルフチェック



こんにゃくの下に小豆を隠し、上から押した時の感覚が、しこりと似ているそうです。


実際のがんは、もう少しゴツゴツしていたり、動きが悪かったりするそうですが、ひとつの参考に。




何か違和感を感じたら、乳腺クリニックを受診してください。




最後に、明石先生の言葉を。

「8割以上の方は治るということがありますので、正しい知識を持って、いたずらに怖がり過ぎないということも大事ですね」
 




患者さんのための乳がん診療ガイドライン 2016年版



乳がんとじょうずにつきあうためのマンマヨガ






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 → 「がん発見!最先端SP リンチ症候群」





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