<手の病気>
セルフチェック方法と症状。
「腱鞘炎」の体験談と治療法。
予防法は、使い過ぎないようにすること。
違和感があったら、冷やす。
「ばね指」。
カクンッとなったら、要注意。
解説:埼玉成恵会病院 埼玉手外科研究所 福本恵三 所長。
ゲスト:高橋ひとみ。
ゲンキリサーチャー:深沢邦之。
2016年9月18日放送の「健康カプセル! ゲンキの時間」より、「~ 箸が持てない! 歩けない!? ~ チェックで見つけよう! 手足の病気」から。
まずは、前編からです。

□ 手首の腱鞘炎

今週のテーマは、「手足のしびれ」。
しびれと言えば、MCの三宅裕司さんは、「腰部脊柱管狭窄症」を経験。
入院手術して、しばらく休養期間がありました。
渡辺満里奈さんは、今のところ、しびれはないそう。
英玲奈さんは、たくさん洗い物をすると、痛くなるそうです。
女優の高橋ひとみさんは、右の足首を骨折して、ボルトが入っているらしい。
(ボトルじゃないよ、ボルトだよ)
なので、寒い冬などは、痛くなるという。
まずは、手のセルフチェックから。
<腱鞘炎のチェック>
(1) 両腕を前に伸ばし、親指を内側に入れて、グーを作りましょう。
(2) そのままの状態で、手首を下方に曲げてください。
手首に痛みがなければ、問題なし。

しかし、強い痛みがあると、手首の腱鞘炎の可能性が。
街角のチェックでは、男性26人、女性14人の、計40人に参加していただきました。
結果、痛みがあった人が 17人、問題ない人が 23人だった。
手の専門家に聞いてみましょう。
埼玉県は東松山市にある、埼玉成恵会病院 埼玉手外科研究所の 福本恵三 所長です。
腱鞘炎は、普段から手を酷使する人がかかりやすい病気。
近年では、パソコンやスマホの普及で、手を酷使する人が増えているのだとか。
<腱鞘炎の体験談>
54歳の男性、Aさん。
DVDやCDなどを入れるケースの組み立てを請け負う会社「K CORPORATION」の代表取締役です。
Aさんは、今年の6月、手に違和感を覚えたという。
ちょうど仕事が忙しい時期でした。
右手親指の付け根が張る感じで、無理して動かすと、チクッチクッと針で刺したような痛みが続いた。
痛みを耐えながら 1週間ぐらい作業していたのですが、それでも痛くて、ネットで見た対策を実施。
テーピングで固定したり、冷湿布で冷やしたり。
しかし、仕事の忙しさから、段々と、対策法もおろそかになってしまったという。
すると、症状は悪化。
ひどい時は、入浴の際、髪の毛を洗えないほどに。
食事では、箸で はさんだりする場合、親指が動かせなくなってしまいました。
歯磨きする時も、親指に力が入りません。
右手を使うと激しく痛むので、日常生活を送ることが困難な状態に。
特に困ったのが食事の時で、右手で箸を持つことができません。
なので、仕方なく、左手で使っていた。
痛み出してから、およそ 1か月後、ようやく病院へ。
診断の結果、「腱鞘炎」だと判明しました。
<腱鞘炎>
腱鞘炎とは、腱と腱鞘(けんしょう)が擦れて、炎症が起きる病気のこと。
人間が指を動かす時、その動きを骨に伝えているのが、「腱」と呼ばれる部分です。
そして、この腱をズレないように固定しているのが、「腱鞘」という名前のトンネル。
この腱と腱鞘が必要以上に擦れることで、炎症が起きてしまうのです。

痛みを放っておくと、最悪の場合、炎症した部分が固まってしまい、親指が動かなくなることもあるといいます。
治療ですが、まず固定して、動かさないようにする。
それでもなかなか治らない場合は、腱鞘の中に、炎症を抑える注射を。
注射をしても改善しない場合は、腱鞘を広げる手術を行う。
<腱鞘炎の治療法>
ステップ(1) 患部の固定。
ステップ(2) 炎症を抑える注射。
ステップ(3) 腱鞘を広げる手術。
Aさんの場合、幸いなことに、深刻な症状ではありませんでした。
炎症を抑える注射で治療し、今では問題なく、手を動かせるそうです。
<腱鞘炎の予防法>
(1) 手を使い過ぎないようにする。
作業の合間に、10分程度休憩するなど、工夫しましょう。
(2) 手に違和感がある場合は、冷やす。
これは、炎症を抑えるため。
手の酷使が、原因のようですね。
なので、休養させることが大切。
手が悲鳴を上げているので、いたわってあげてください。
□ ばね指

続いては、これ。
<ばね指 チェック法>
(1) 指の付け根部分を、反対の親指で押して、押すと同時に、指を曲げましょう。
(2) 同じ動作を、すべての指で行ってください。
もし、痛みがあったり、指がカクカクする場合、ばね指の可能性が。


手の腱鞘炎には大きく2つあって、「手首の腱鞘炎」と「指の腱鞘炎」があるんです。
<ばね指>
ばね指とは、指にある腱と腱鞘の間で 炎症が起こってしまう病気。
閉じていた指を伸ばそうとすると、カクンッ! と跳ねるように動くのが、特徴。

ばね指になりやすいのは、よく使う親指。
その次に、ものを握る時に力が加わりやすい、中指と薬指なのだとか。
ばね指も、侮れません。
放っておくと、関節が固まり、指先が動かなくなることも。
<ばね指の治療法>
(1) 患部の固定。
(2) 炎症を抑える注射。
(3) 腱鞘を広げる手術。
<ばね指の予防法>
(1) なるべく指を使わない。
(2) 違和感がある場合は冷やす。
同じような動作を繰り返す人は、腱鞘炎になりやすいようです。
例えば、SE(システム・エンジニア)の人。
美容師さんや、料理人も、そう。
痛みがあったら、病院へ。
使い過ぎだと思ったら、手をケアしてあげてくださいね。

次は、「母指CM関節症」についてです。